1960年代に有限要素法(FEM)を構造解析の中心技術に位置付ける為の取り組みが
数多く行われて、様々な制約の中にありながらも、目的を達成しました;
1970年代に入って、コンピュータ周辺機器の発達に伴って、プリ/ポストソフトの開発が
進み、解析技術者の負担軽減、解析モデルの大型化をもたらしました。
しかしメッシュ分割の方法については解析技術者の経験に依存していました。
1980年代にワークステーション、パソコンが登場することにより、一般設計技術者の間
でもFEMが普及し始めました。
またアダプティブ・メッシュの技術が登場した結果、属人性を排したメッシュ分割が可能に
なりました。
1990年代に入ってからは更にメッシュレス技術が提案されるに及んで、メッシュ分割を
意識せずに構造解析を行う時代の到来を予感させるに至りました。
このように約40年の歴史を経てFEM関連技術が整備され、少なくとも洗練された解析
技術者が取り扱う限りにおいては、様々な課題を解決できる段階に立ち至りました。
その結果、この分野における技術開発がスタートした段階から最重要視されてきた問題点が、
従来にも増して浮き彫りとなってきました。
すなわち適切な解析モデルを生成するためのモデル化技術は経験に依存する度合いが大きい
という点です。
さてここで言うモデル化技術とは以下のように定義できます;
モデル化:
コンピュータの外で発生している物理現象をコンピュータ内部の表現形式に翻訳する作業
ところが解析機能は現在にいたるも必ずしも完全なものではない上、正確な数値が入手し難い
入力データが数多くあります。
このような制約を克服する為にはモデル化において以下のような工夫が求められます;
(1)実際の物理現象に近い挙動を再現できる解析モデルを生成する。
(2)その物理現象を支配する各種パラメータのうち本質的なものを選別する。
(3)必要に応じて簡略化、省略等の工夫を施す。
(4)支配的パラメータを変動させた場合の感度解析で代用する。
しかしいずれも高度な能力と経験を必要とし、適切なモデル化を実現できる技術者を育成する
のは難しい上、そのような技術者は不足しています。
その結果、適切なモデル化を実現できる解析専門技術者と、実機を熟知している設計技術者
との分業/協業が必要になってきました。
すなわちソフト、ハードの進歩を背景に、過去に前例のある課題、解析モデルを作成し易い
課題等については設計技術者が自ら解析するものとし、高度な能力と経験を必要とする課題に
ついては少数の解析専門技術者が取り扱うといった技術の使い分けが必要とされます。
このような解析専門技術者というのは各企業において重要な役割を担いつつも、少数であるが
故に、自らの能力を向上させるには極めて大きな負担を強いられることになります。
そこで、弊社ではこれまでに蓄積した構造、熱、流体それぞれ個別の、あるいは連成した課題
に関する解析事例に基づいて、様々なご要望に沿うべくアウトソーシングの受け皿を準備して
おります。
ついてはメニュー画面から解析事例に進んでいただき、ご要望の課題に近いものを選んで、
弊社宛ご一報下さい。内容の詳細についてご説明いたします。
尚、弊社では日常業務に追われてなかなか技量を向上させる機会に恵まれない若手技術者の
育成代行も業務の柱に据えておりますので、ご一報いただければ内容についてご説明
致します。